“Paradoxical Foregrounding Of Work And Artifice That Are Existing Behind” (a) “500 Sheets Into a Mass” (b) “497 Times Same Acts Containing Tiny Differences” (c)
media/size: (a) ruptured rope/ -; (b) paper, glue/ 21.0 x 29.7 x - cm; (c) paper, glue/ 21.0 x 29.7 x - cm
ロープ、コピー紙、糊を用いて行った単純かつ無意味な
行為の結果として現れた白い3 つの作品。
ロープの作品について:
この作品は、いかなる芸術的な技術も用いず、単にアー
ティストが持つ物理的・身体的なパワーによる絵画の
制作、そのための一連の行為=プロセスの結果のひとつ
として出来上がった。このとき私は、極端な重量̶̶例
えばもしそれを足に落としてしまった場合、足の指が潰
れる程に重い̶̶を持った素材をただ引きずることに
よって絵画を制作しようと試みた。その素材は、複数の
塗料を何層にも、しかし表面に何の表情も持たせずフ
ラットに塗った分厚い鉄板だった。私はそれにロープを
くくり付け、広い公園で引きずったが、すぐにそのロー
プはひきちぎれた。
これは、重工業的な力がアーティストの創造的なアイデ
ア(上に書いたように技術でなく)を打ち負かしたこと
を意味する。そしてその偶然の結果、美しい表情を持っ
たロープの断面̶̶もう一つの、相対的に軽い工業的な
もの̶̶が出現した。
コピー紙の作品について:
これらはそれぞれ、500 枚と497 枚のコピー紙と糊の塊
である。
前者は束のまま糊に漬け込み、後者は1 枚ずつ貼り合わ
せていく作業を496 回繰り返した。
photos by Aisho Miura Arts