前提
[2010 年12 月, 一部改訂・修正・加筆( 最終更新2021 年2 月)]

“人間性の否定. 人間中心主義の再検討. 真の反芸術の召還.”


ドローイングやコラージュ、ペインティング、プリンティング、スカルプチュア、ビデオ、インスタレーショ ン、写真と様々な作品形式* を展開する菊地の作品は、基本的に以下の定義** に基づいて制作されてい る( 定義7 および定義8 は未実行の未来の目標):

  1.  汎言語体系における価値の解体
  2.  1 へのエロティシズムの介在、干渉
  3.  1, 2 への偶然性の適用
  4.  1, 2, 3 の行為において直接的身体性の排除と間接的身体性の再構築=拡張
  5.  1, 2, 3, 4 による社会制度の問い直しとその観察
  6.  1, 2, 3, 4, 5 から導き出される人間性の否定
  7.  6 の結果としての、未発見の価値x の発見(x へは、既存の人間性から排除された、いかなる概念も代入可能)
  8.  X ( 全てのx の集合) は真の反芸術として現れる


別言すると、以上は諸々の社会制度(言語現象の集合として定義される)に内在する価値と、それら社会制度によっ て隠蔽される事柄(性的興奮や暴力などの非言語的な現象)が持つ価値を否定し無化することを意図している。こ れら2 つを人間固有の問題として定義すると、それらの否定は既存の人間的な価値を否定する目的を持つ。それは 結果的に人間性の再検討になる。と同時に、芸術という人間のみが持つ概念を支えるものは何かということの再考 にもなる。
このコンセプチュアルに設けられた方法とその表現を通して制作される作品は、オートマティズム、乱数の使用、 自身の身体性の排除/ 拡張による不確定性を備えた制作行程によって、個人による矮小な審美的判断に対する懐疑 に根ざしながら、それゆえにある種の普遍性を持ち、「モダニズム***」以降のあらゆる現代美術の文脈に関連づけ ることが可能になる。しかしながらそれらの作品は、私の内面的なニヒリズムを経た新たな批評性をもつものとして、 それらの文脈を更なる相対化に投げ打つような性質を持つ。

** 様々な作品形式 - 加えて、美術の活動とは完全に峻別されたものとして、 主にエクスペリメンタル・ミュージックの分野で音楽 制作・演奏も行う。音源は主にソロまたは主に海外の アーティストとのコラボレーション作品として、様々 なレーベルからリリースされている。 参照 here.

** 定義 - 基本的には、定義1 と定義2 がコンセプトの軸となり、 定義2 が定義1に適用される形をとる。しかしその適 用する/される順番が入れ替わることもある。さらに は、どちらか一方のみが軸となる場合、どちらも軸と はならない場合もまれにある。

*** モダニズム - 私は、経済面以外で自分自身を含む日本人は未だ近代 ――同調圧力に支配された集団主義的な社会でなく、 個人の理性に基づいた社会――を経験しておらず、し たがって日本に於いてはポストモダンは存在しないと 考えている。それは皮肉にも、他の国が持ちえない日 本の歴史的特徴である。これは早くに解決されるべき 日本の文化的 [ また政治的] 病であるが、私のある種 無政府主義的な表現は、このような背景――歴史的、 国家的、美学的文脈の軸を持たない――から現れてい るとも言えるから、そこに矛盾があることは認める) 理性に基づいた近代化が現代美術の条件と仮定すると、 日本人はそれをずっと実現することができず、いまだ 全ての前提としてある西洋の現代美術史と接点を持つ ことができていないのではないかという恐れを抱いて いる。であるから、我々がそれとの接点を構築するた めには、理性主義/合理主義に基づくオルタナティブ なパースペクティブの再構築を、努力目標として掲げ なければならないと考える。 上記と重複するが、その努力目標は、私の場合に限ると、 他者依存的な既存の記号的価値の組み替えに依らない、 ポストモダン以降の振るまいを拒否する、モダニズム の理性的な進歩主義に則った個人主義に根ざした動機 によって、しかしながらその主体である自分自身の審 美的判断には至極懐疑的に作品を制作することである。 それは、個人レベルで近代をやり直しつつも近代を先 回りして相対化する試みである。




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WORKS



-

2022


CLAIM


-

2021


153 Years

Bipolar Tangency

BLACK CORRECTION (with cultural suicides, social scatology, educational feces, expressionistic ejaculation, and you) 37 - 42

Self-denial Practice (physical) 44 - 45


-

2020


Quantum Flesh

BLACK CORRECTION (with cultural suicides, social scatology, educational feces, expressionistic ejaculation, and you) 27 - 36

Self-denial Practice (physical) 42 - 43

Postcard Work (Collaboration Without Permission) 1 - 21


-

2019


Room Aroused (version)

Optic Scissure 19 - 25

Study for Bipolar Tangency

Self-denial Practice (physical) 41


-

2018


Room Aroused

Sex Document 1989

movie data for Sex Document 1989

Alchemy (sex)

Optic Scissure 3 - 15

Ethical Split 2 - 3

National Portrait

Self-denial Practice (physical) 39 - 40

Self-denial Practice (ideal) 6 - 8

Hanged Grammar XIII - XVI

BLACK CORRECTION (with cultural suicides, social scatology, educational feces, expressionistic ejaculation, and you) 12 - 26


-

2017


Blood Drawing

Self-denial Practice (physical) 34 - 38

Self-denial Practice (ideal) 2 - 5

Hanged Grammar IX - XII

BLACK CORRECTION (with cultural suicides, social scatology, educational feces, expressionistic ejaculation, and you) 1 - 11


-

2016


Blood Drawing

Ethical Split 1

Self-denial Practice (ideal) 1

Self-denial Practice (physical) 14 - 33


-

2015


Untranslatable

Terrible Events

Hanged Grammar VIII

Self-denial Practice (physical) 1 - 13

Study for Ethical Split

Optic Scissure 1 - 2

Studies


-

2014


Grammatical Luxation - A Porn 1 - 7

Studies


-

2013


Multinegation (irreflexive) 1 - 6

Painted Negativity 10 - 20

Studies


-

2012


Painted Negativity 5 - 9

AXIOM/ process 2

Untitled

Studies


-

2011


Painted Negativity 1 - 3

Money Experimentation (The Permutation Keeps the Intercept?)

Texual Demeant

AXIOM/ process 1

288 Points Squares Delta


-

2010


Hanged Grammar I - VII

Untitled B&W Drawing 1 - 3


-

2009


Texts (Text_2 to f)

Sickly Error Text

Paradoxical Foregrounding Of Work And Artifice That Are Existing Behind
500 Sheets Into a Mass
497 Times Same Acts Containing Tiny Differences


Roman Collage

Untitled Collage


-

2008


Writing

Text_0 / Text_1


-

2006 - 2007


Study for Collage

Study for Drawing



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