Terrible Events
日本語題名《ひどいイベント》


media/size: aluminum board, urethane, synthetic resin, silkscreen print, wood frame/ 60 x 60 x 6 cm


《ミスターブックO フときどきゲO マスター》同様、「前 提」で掲げる定義群の適用から除外された、例外的な 作品。 《ひどいイベント》では、主な構成要素として、計算的 で手続き的にシャッフルされた、デフォルメされた 「ヴァギナ」「ペニス」「精液」「腸」「屁」でかたどられ たGoogle ロゴが、私が住む仙台に伝わる伝統工芸「玉 虫塗」の、正しく美しい技術とともに使用された。
なぜGoogle ロゴだったのか。それは、それが非首都圏 において特段の存在感を現す、物理的な文化の不在と 現実のスラム化の象徴だからである。
この作品は、日本の美術業界全体の保守的な価値観を 背景にしたVOCA 展という展覧会内で、その展覧会が 持つ、上記と相似の構造を示すために、皮肉な爆弾と して振る舞うことを意図して作られた。
この場合、「物理的な文化の不在」は、この展覧会にお けるありうべき美学や批評性の不在の比喩として解釈 される。つまり、そこには国際的な視点を持たない、 単にローカルで空疎なリアリティしかないのだ。これ が意味するのは、地方に住む私はもちろん、かれらを 含む全員が、地方の住民だという事実だ。

作品タイトルは、上記以外、以下の2つの意味を直接 示している:
1. 私が住む地元仙台で、2012 年より「ひどいイベント」* というイベントを、聞き慣れた音楽や、見慣れた美術 など、特に地方にありがちな価値観を転覆すべく、友 人と一緒に企画していた。「ひどいイベント」は、地方 の人々の貧しく柔軟性のない価値観を拡げようと、最 大限ひどくあろうと努めた。
この作品には「ひどいイベント」のロゴもGoogle ロゴ と同時に使用してある。
2. VOCA 展は、展覧会として、実に「ひどいイベント」 である。
この作品は、精神的または文化的な優劣を孕む対比を 持ったペアとして、もう一つの皮肉な爆弾である《ミ スターブックO フときどきゲO マスター》と同時に展 示された。

*「ひどいイベント」は10 回以上開催された。そのうち 数回は、たとえば以下の国際的かつカルトなアーティ ストをゲストに招いて行われた。

ジャン= ルイ・コステス(フランス)
Dick El Demasiado(オランダ)
赤間涼子(イギリス)
Lucas Abela(オーストラリア)

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